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コールセンター白書2022とAmazon Connect - Amazon Connect アドベントカレンダー 2022

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📅 2022-12-31

こんにちは、Amazon Connect Ambassador西山(@ippei2480)です。

この記事はAmazon Connect Advent Calendar 2022の25日目の記事です。(大遅刻)

Amazon Connect Advent Calendar 2022は、ギークフィードとクラスメソッドさんの有志によるブログ投稿企画です。Amazon Connectの幅広いトピックをカバーしているのでぜひ読んでみてください!

コールセンター白書とは

コールセンター白書はリックテレコム社が毎年出版している、コールセンターに関する日本国内唯一のデータブックです。コールセンター運営企業、BPO企業等に実施したアンケートなどから調査したデータをまとめ、業界動向がまとめられています。

超ニッチな本ですが、グラフが多く、用語解説もページ内にあるので業界に馴染みが無い方でもサクサク読めると思います。

こちらから購入可能です。
値段見てびっくりしました。

章立て

  • 第1章 コールセンターを取り巻く環境と在宅シフト
  • 第2章 国内コールセンターの実態
  • 第3章 コールセンターの利用者調査
  • 第4章 コールセンター/CRMアウトソーシング市場検証
  • 第5章 全国自治体のコールセンター誘致・進出状況調査

1章と2章の内容をベースに書いていきます。グラフや詳細データに関しては掲載しません。

コロナ禍でのコールセンター業界

新型コロナウイルスが本格化した2020年は、コロナ相談窓口やワクチン関連窓口などのコールセンター需要が生まれ、また飲食や接客・サービス業界から人材があふれてコールセンターのオペレーター採用が活発化し、いわゆる特需状態でした。

昨年からコロナ特需が終わった後はそれ以前と同様に採用難が来るだろうと予想されていましたが、2022年はコロナ前の生活が戻ってきたことでその通り採用難になってきています。

一方で、インハウス(自社で内製化している)のコールセンターで自社のカスタマーサポート窓口では、コロナによる大きな影響がなかったという話もありますし、コロナ関連の問い合わせ窓口業務を請け負っていたBPOセンターでは逆に人が余っているというケースもあるようです。

そうした流れを受けて、コールセンター業界ではこれまで有期雇用で大量採用し短期間で離職・契約完了という採用が一般的でしたが、無期契約や正社員で長く働くコアメンバー+需要に応じた短期的な採用の2軸で構成するというパターンが増えてきているようです。

コールセンターの業務というのはオペレーターもSV(スーパーバイザー)以上の管理者も激務かつストレスフルで離職率が高いものですが、今後はいかに離職率を下げるか、いかに少ないメンバーで効率的に業務を回し、顧客満足度を高めるかという点がより重要になってきます。

上記の背景を踏まえて考えていきたいと思います。

クラウド化と在宅業務

電話システム(PBX)も、CRMも年々クラウドサービスに移行しているコールセンター数は右肩上がりです。

一般企業と同様に、コールセンターでもクラウド化と在宅業務というのは近年大きなキーワードとなり、在宅に業務をシフトしたセンターは多いです。ですが、半数近くのセンターでは在宅業務を導入しておらず、また導入したセンターでも在宅業務可能なのは管理職や正社員だけと言ったパターンが多くあります。

問い合わせ顧客データやBPOであれば顧客企業データを扱うため、セキュリティの観点でのハードルがあったり、問い合わせ対応中のヘルプにすばやくサポートできるように出社する必要があるというのが主な理由のようです。

セキュリティに関しては企業のセキュリティポリシーや運用方針、業務の契約内容にもよりますが、Amazon WorkSpacesを利用してVDI環境内のみで業務を完結させ、機密データはVDI環境外に出せないようにするといった案があります。

運用におけるサポートについては、Contact Lensのルールを利用して、予め設定しておいたキーワードや顧客の感情状態を元に、自動的に管理者にアラートを発砲するということが可能です。Amazon ChimeやTeams、Slack等のツールを利用してヘルプを要請するということも考えられます。

人手が不足しており、柔軟な働き方が求められている現在では、システムやサービスを利用して在宅でも運用できる環境を用意し、コールセンター拠点から距離がある人や出社して半日・1日仕事するほどの時間が無い人といった採用応募者に間口を広げるということが重要ではないかと思います。

また、多拠点を運営しているコールセンターでも、そのうちの1/3ほどは拠点ごとにPBXや顧客DBのインフラが独立しているというデータがありました。これらセンターの大半はまだクラウドサービスに移行せずオンプレミスのシステムを利用していると思うので、今後Amaozn Connectに移行することで、データもシステムも一元管理でき拠点間で業務をヘルプしあえる、ハードウェア保守やライセンス費用がいらない、在宅業務も可能になるといった大きなメリットを伝えていければと思います。

業務効率化

業務効率化の観点で考えたときにAmaozn Connectは非常に強いと考えています。

例えばIVRでは、AWS Lambdaを経由した他システムとの連携が容易であるため、オペレーターに繋がなくてもセルフサービス式で情報を確認・変更を行うことができます。日本語の音声認識はどうしても漢字を考慮すると完璧に行うということは難しいですが、SMSやAmaozn Connectチャットと併用することで払拭することができますし、顧客体験もより良いものになります。

コールセンター白書では、コールセンター教育において、オペレーターの通話録音をSVが1つづつ聞きなおして指導するという形式から、録音のテキストデータを読んで確認し、気になる箇所を実際に聞いて指導する形式に変更したことで格段に効率化されたというものがありました。こちらも、Contact Lensや弊社サービスのYouWireと組み合わせ利用をすることで実現可能です。

効率的に問い合わせを処理するという観点では、電話のチャネルよりもチャットが優位です。データによるとオペレーター一人あたり同時に3人の顧客とチャット対応をするケースが多く、チャットボットであるAmazon Lexや前述の外部システム連携と組み合わせることで、少人数でも効率的に問い合わせ対応をすることができます。2022年にスマートフォン普及率は94%を超え、ほぼ誰もがチャットを利用できると考えて良いと思います。

また、Amaozn Connectのチャットの優位性として、電話と同じようにキューという概念があるということがあげられます。チャットを導入しているコールセンターの過半数において、チャットの問い合わせがキャパシティを超えた際に、利用しているチャットシステムにキューの仕組みが無いため、Webの画面からチャットウィンドウ自体を隠すと回答しています。

これは顧客体験が非常に悪く、根本的な解決策にはなっていません。Amaozn Connectのチャットではキューに入れることができ、例えば現在の待ち人数を随時お知らせすることや、待っている間に問い合わせ内容を入力してもらうということができます。

最後に、コールセンター運用におけるオペレーターのアサインについては、95%以上のセンターではWFM(ワークフォース・マネジメント)を利用せずに、Excelなどで手作業で行っているというデータがありました。2022年に利用可能となったAmaozn Connectの予測、キャパシティプランニング、オペレーターのスケジューリングは、コストと時間をかけずにコールセンターの呼量予測、オペレーターの人員配置、個人ごとのスケジュールを出すことができます。

紹介したこれらの業務効率化案は、大きなコストをかけずにすぐに開始できるものがほとんどです。スモールスタートで開始し、必要に応じてスケールできるというのが改めてAmaozn ConnectやAWSの大きなメリットであると言えます。

顧客満足度の向上

前述の業務効率化で顧客満足度を向上する部分もあると思いますが、今後キーになってくるのはデータ分析です。クラウド化や通話のテキスト化が進み、コールセンターが扱うデータ量は格段に増えましたが、それを活用するところまではまだ至っていないというのが現状かと思います。

今後コールセンターで活用したいシステムはなにか?という調査のトップはFAQシステムというデータがありました。FAQのコンテンツは顧客のコールリーズン(問い合わせ理由)を分析することで効果的に拡充することができますし、コールリーズンの分析結果をIVRに反映することでよりユーザーフレンドリーな顧客体験を提供することができます。

コールセンター白書の中では、コールセンターの意義は「顧客満足度の向上」が最も重要とされているなかで、顧客満足度と直接的には関係のない「放棄呼率」を最も重要なKPIとして掲げているセンターが多く、「顧客満足度」や「顧客が課題を解決できたか」といった指標を最重要KPIとして掲げていない、定量的に評価できていないというのが日本のコールセンターの課題であるという記載がありました。

確かにどんなに応答率が高くとも、対応がいまいちだったり問い合わせ内容が解決できなければ顧客満足度は高くなりません。また、応答するまでに待ち時間がとても長いケースもそうです。通話統計データベースで評価をすることも重要ですが、顧客目線でユーザーストーリーを考えたり、通話の内容を分析して顧客がどう感じていかを考えるということが必要です。

データを集め、分析し、それをシステムと運営に反映するといったサイクルを作るのが今後重要になってくると思います。

その点においてAmaozn Connectとその周辺のAWSサービスというのは連携が容易であり、AWSのエコシステムの上で改善サイクルを作ることができます。分析に関してはAmazon QuickSight、Amazon OpenSearch Service、その他分析系サービスを利用して可視化までを行うことができます。そしてすべてのサービスが凄まじいスピードで進化し、世界中のコールセンターのニーズに合わせた新しい機能が追加されていきます。

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Amaozn Connectで取得できるデータだけでなく、顧客の購買履歴やセールスのデータを分析を連携して分析することで、コールセンターのデータからビジネス改善のアクションをすることも可能だと思います。

おわりに

Amazon Connect Advent Calendar 2022お疲れさまでした!そして大遅刻してすみませんでした!

来年もAmaozn Connectを盛り上げていければと思います。

西山(@ippei2480)ででした。

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