携帯からAmazon Connectの番号で発信【V字発信】
📅 2020-04-09
Amazon ConnectではAPIから自動発信(オートコール)を行い、プレディクティブコールを実現することができます。今回はその応用として、V字発信を紹介します。 Amazon Connectは基本的にはCCP(ブラウザフォン)を使用する前提ですが、V字発信を行うことで普段使っている携帯で発信を行うことができます。
やりたいこと
- 携帯の通話料金をかけたくない(Connectの料金もできるだけ安く)
- 携帯電話でAmazon Connectの電話番号から発信したい(個人番号を通知したくない)
- 発信元の携帯に接続してからお客さんに接続したい
- 通話録音したい
- 認証によるアクセス制限をしたい
携帯の通話料金をかけたくない
携帯から発信 → Amazon Connectから転送 → 発信先番号
とする場合、Amazon Connectで取得している番号がDID番号だと携帯側の通話転送がかかってしまいます。さらに、Connect側では着信通話 + 発信通話分の料金が発生します。Amazon Connectの番号を0120番号にすることで、携帯の通話料金はかかりませんが、代わりに通話料金の単価がかなり上がってしまいます。
携帯へ着信 ← Amazon Connectから発信&転送 → 発信先番号
とすることで、Amazon Connectから全ての通話が開始されるので携帯の通話料金はかかりません。また、フリーダイアルを取得する必要がないので、料金計算的にはDID番号による発信2通話分の料金で済みます。
Amazon Connectの番号通知をしたい
こちらはV字発信の仕組みにすることで簡単に実現できます。明示的にも動的に通知番号を変更することができます。
発信元の携帯に接続してからお客さんに接続したい
こちらはプレディクティブコールの逆の設計になります。
- お客さんにつながったらオペレーターにつなぐ
- オペレーターにつながったらお客さんにつなぐ
どちらも可能です。
前者につながらなければ、後者には発信されないので安心です。
通話録音をしたい
一番むずかしいポイントです。
標準には「通話記録動作の設定」ブロックがありますが、この通話録音はエージェントと接続された時からの音声データを保存します。携帯を利用するV字発信ではエージェントを利用していないので、通話録音を有効にしても保存されません。
これはKinesis Video Streamsで実現できます!
音声ストリームデータをパースしてステレオwavファイルにしてS3に保存をすることができます。ストリームデータのパースについては別の記事で解説したいと思います。
認証機能
Basic認証で行います。CCPをS3でホスティングし、Cloudflont + Lambda Edgeで実装しています。
全体構成
機能を絞ってシンプルなサービスにしてみましたが、結構色々使っています。。
動作確認
後ほど動画を追加します。
インバウンド業務について
機能を制限した場合、インバウンド業務もこのサービスで行うことができます。
発信通知した番号にお客さんから着信があった場合にAmazon Connectの標準機能でできることは、特定の外線番号に対する転送です。転送先オペレーターが複数人いる場合、IVR + DTMFで転送先を選んでもらうことも可能です。
お客さんによって動的に転送先を変えたい場合、最後にそのお客さんに発信を行ったオペレーターへ自動転送を行うといったことが可能ですが、こちらは上記構成にDynamoDBを追加する必要があります。
キューやACDといった機能が必要であると、CCPを使うもしくは別でプレゼンス管理を行うアプリケーションを作る必要があるので、PCや安定したネットワーク環境が必要になってきてしまいます。
まとめ
Amazon ConnectでV字発信をおこなうことで、
- どんな電話機でも
- Amazon Connectの電話番号から
- Amazon Connectの通話料だけで
- 発着信業務ができる!
ということが実現できます。
昨今の情勢で、テレワークを急に導入しなければならなくった。けれどもクラウドPBXの複雑な機能や操作はいらず、普段遣いの携帯感覚でやりたい。という時の選択肢の一つとしていかがでしょうか。
興味を持たれた方はぜひお問い合わせください!